【書評】『読んだら忘れない読書術』簡単な記憶法を発見したかも!?

 

ビジネスマン
2、3日前に読み終えたばかりなのに、本の内容が思い出せない

ワーママ
本が捨てられず、どんどん溜まっていく...>_<

学生
自分のおススメ本を友達に紹介した時に、おすすめポイントを聞かれて答えられなかった

 

上記のような悩みを持つ方は多いのではないかと想像します。かく言う私もどれか一つどころか、3つすべてに長年悩まされているのでした。

これらは結局、本の内容を記憶できていない、というところに原因があります。

私自身、これまで何冊も本を読んできたはずなのに、内容までしっかり説明できる本が何も思い出せません(汗)。そして、読んでも覚えられないがゆえに一度読んだ本でも処分できず、本棚は常にパンパン。

 

読み終えた本のエッセンスをどうすれば記憶できるのだろう?

 

そういう自分自身の心の叫びから手に取った一冊が、今回ご紹介する『読んだら忘れない読書術』です。

本を開いて、ただ読み進めていくだけではダメだと分かりました。内容を忘れないためには、本の読み方、記憶の仕方を知る必要があります。

この記事を読めば、「記憶に残る本の読み方」が分かります。

 ※

精神科医であり、数多くの著作を発表する作家としても活躍されている樺沢紫苑さん。
この本は、この樺沢さんによる2015年に発表された書籍になります。

・メルマガ、Facebook、YouTube動画の毎日更新
・年3冊の執筆、出版
・月間30冊の読書
・月に10作品以上を映画館にて鑑賞

本業に加えてこれらのことをこなし、多忙を極めているであろう樺沢さん。ショートスリーパーかと思いきや、ご本人曰く「毎日必ず6時間以上睡眠をとっている」とのこと。

これまでの読書から学んだ知識をフル活用して、時間効率を極限まで高めているがゆえになせる業のようです。

しかしそれにしても、月に30冊本を読めるとは、本当にすごい!現状、自分の10年分の読書をわずか一ヵ月の間にされているような印象です(苦笑)。

でも、たくさん読もうと、読んだ内容がしっかり記憶されていなければ意味がありません。自分の悩み・課題もそこにあります。

そこで...

『読んだら忘れない読書術』に目を通すことでわかること
・読んだ内容を10年経っても忘れない方法
・最低でも月10冊読む方法
・失敗しない本の選び方

『読んだら忘れない読書術』の学びと要点

一週間に3回アウトプットする

本を読んだらそのままにしないで、週に3回何らかの形でアウトプット=感想を言うようにすること。
根拠:受験勉強の英単語の暗記をイメージすると、一回暗記したら翌日にもう一度チェックし、3日後に再度チェック。さらに一週間後にもう一度復習することで記憶に定着することが知られている。つまり、一週間に3回のアウトプット。
樺沢さんは脳科学の面から、しっかり記憶する上でアウトプット、復習の重要性について語っています。

具体的なアウトプット方法:
・読みながら、重要箇所にラインを引いたり(3ヵ所に限定)、メモを取る。手を動かすことが脳の活性化にもつながる。
・Twitterなどで感想を発信する。
・Facebookなどでレビューを書く。
・人にすすめる。

これらのことを一週間以内に3つ行うと良い。

スキマ時間を読書にあてる

本を一冊読むごとに上記のような方法を使うと、内容が記憶されやすいと分かりました。同じことを繰り返せば良いのですから、この先はどんどん読書が楽しくなっていきます。

多読しても本の内容を忘れてしまっては元も子もなくなりますけど、そうでなければ、次に「どうすれば本をたくさん読めるようになるか」を必然的に考えるようになりますよね。いわゆる「速読」のテクニック的な情報も世に出ておりますが、樺沢さんがこの本で説明している多読方法は、少々アプローチが異なります。

それは、「スキマ時間を使う」。一言でいうとこうなります。著者自身、ほとんどこのスキマ時間を使って読書をしているとか。

スキマ時間と一口に言っても色々な場面がありますが、本の中で焦点が当てられているのは「移動時間」です。たとえば通勤・通学の時間、電車を待っている時間ですね。

片道1時間というのが世の中の平均値。ということは、1日で2時間は読書にあてられます。土日を含めると、単純計算で少なくとも60時間はスキマ時間として利用できる。冒頭の方で述べた「最低でも月10冊読める」というのは、こういう理由になります。

ただ、そうは言っても通勤電車の中ではついスマホに手を伸ばしてしまう人も多いはず。そうならないために必要なのは「今日は必ずここまで読み終える」「必ず3日間で本一冊読み終える」というように目標を設定することだと著者は言います。

以上、記憶に残る読書術におけるキーとなる要素は「アウトプット」「スキマ時間」

自分のレベルを適切に把握して、レベルに沿った本を選ぶ

本を読む上で「何を読むのか?」の選択を間違えると、本代を高く感じてしまいがち、と指摘する樺沢さん。コツの一つは、自分が読もうとしている分野で初心者であるならば、いきなり上級者用の本を手に取らない、ということのようです。経済や政治のことを詳しく勉強したいと思うなら、まずは専門書ではなく漫画などで解説された本を最初に手に取り、概略を理解する。難しい本はその後から読んでいく方が頭に入りやすい。このように、今の自分のステージに合った本を選択することで、価格に見合った、あるいはそれ以上のリターンを得られ、また途中で放り出すことなく読み終えることができるというお話です。

実践して分かったこと

一週間に3回アウトプットする

(今までの自分)

これまで自分は、本を買ってもそのあと売ることを考えて線を引いたり書き込みをすることは控えていました。SNSなどで内容をシェアすることもなく、単に読みっぱなしの状態です。

(読書後に、実践したこと)

実際に、自分のtwitterアカウントで、この本についての感想を2回だけつぶやきました。
「大事な部分、3ヵ所に印を付けるべし」とありましたので、その3ヵ所をシェアしようとも思ったのですけど、この本を手に取った理由、そして仕事への関連性についてシェアしたのでした。
並行して、気になった箇所にマーカーで線を引いたりもしまして、最終的にブログ記事という形でレビューも投稿しています。が、「一週間以内に」という期間は守れず、2週間ほどかけて3回のアウトプットをした形になりました。
この一連の経験の中では、最後のレビュー、書評としてまとめるという作業が一番大変で何日もかかりました。日々の仕事を抱えながらレビューをまとめるというのは、思っていたよりもずっと難しかったです。
ただ、一通り流れを経験しましたので、同じことを繰り返せば読んだ内容を記憶できるという意味では、コツを掴んだような嬉しさがあります。

(今後の課題)

自分はfacebookは使っていないので、SNSでシェアするとなるとtwitterが基本となります。印を付けた3ヵ所のシェアは難しくはありませんので、次回以降はクリアーできます。
本を汚しながら読むという点は、結構勇気が要りました。中に書き込みがあると売却はほぼ不可能で、正直痛手です。でも確かに記憶するには大いに書く作業が必須であると自身の学生時代を振り返っても思いますので、今後は売却より記憶を優先させます。
最後のまとめである書評を書くことについては、ここはもう慣れしかないように思います。数をこなせば書き上げるスピードも上がるでしょうし、アウトプットを前提としたインプットができるようになるはず。

スキマ時間を読書にあてる

(今までの自分)

自分は自営業ですので、通勤時間というのはありません。ただ、もちろん電車やバスには時々乗りますので、スキマ時間と言うとこの移動時間になります。都会と違って電車の乗り継ぎも悪く、待っている時間も含めるとそれなりにまとまった時間になります。この時間を何に使っているかと言いますと、ほとんどスマホをいじっておりました。この本の中で「やってはいけない」と書かれていたことを、きちんと実行していたことになります(苦笑)。
それと、一日一回、1時間程度の散歩を日課にしておりまして、この時間は黙々と歩く感じです。

(実践したこと)

通勤時間としては試しようがないので、1時間の散歩中にオーディオブックを聴く、ということを始めました。外の音も聞こえる必要があり、骨伝導式のヘッドホンを購入し、サブ機として所有している楽天miniにamazon audibleアプリを入れて持ち歩くようにしたのです。車が通るとその音で聞こえづらくなり、1時間のうちにしっかりと聴こえるのは30分程度でしょうか。

(今後の課題)

1時間の散歩の中でオーディオブックを聴くことにより、月に何冊分読めるかは今後の検証が必要です。車があまり通らない静かな道を選ぶ必要があって、そういうコース選びも大事になると分かりました。

自分のレベルを適切に把握して、レベルに沿った本を選ぶ

(今までの自分)

そもそも自分のレベルを把握しようという意識すらなく、目に留まった本を選び、なおかつレビューを見て購入を決めていました。「自分が知っていることばかり書かれていた」という低評価を目にすることが結構あって、それで購入を躊躇したり。。。そしていざ買っても、最初の数ページを読んで難しそうだと分かると本を閉じて、そのまま本棚の肥やしとなっています。

(実践したこと)

今のところ、まだ実行に移したことはありませんが、その分野のことを何も知らない場合は、「図解〇〇」とか「XXでも分かる~」というタイトルのもの、あるいは漫画形式で解説されている本をできるだけ買うようにしようと思っています。

(今後の課題)

課題と言いますか、興味を持った分野は集中して学んだ方が頭に入りやすいと知りましたので、今後はできるだけその分野の関連本を連続で読んでみようと思いました。経済の本を読んだら、次に自己啓発書を読むのではなく、しばらく経済に関する本を何冊か続けて読んでみる。そうすることで理解も深まるでしょうし、記憶にも残りやすいようです。

『読んだら忘れない読書術』まとめ

以上、簡単ではありますが『読んだら忘れない読書術』のエッセンスをお伝えしてきました。再度以下のようにまとめておきます。

 

『読んだら忘れない読書術』のポイント
・一週間に3回アウトプットすることで記憶として定着
・本を汚しながら読むことで覚えられる
・スキマ時間を読書にあてると、月に本10冊読める
・最初の5分と最後の5分を意識する
・「守破離」を基本とし、自分のレベルを適切に把握して、初心者ならいきなり本堀りしようとしない
・極力、同じ分野の本・関連書籍を続けて読むことで一層頭に残りやすくなる
・関連書籍を探す場合は、終わりに書かれている「参考文献」を見たり、大型書店に行くのが良い
・毎月の読書の予算を確保しておく
・電子書籍も併用してみる
・書籍購入に対する費用対効果は、個別ではなくマクロで判断する

最後にひと言

記憶として定着させるには、ただ漫然と読むのではなく、線を引いたりメモ書きしたりなど「手を動かす」作業や、週に3回のアウトプットが必要という箇所は、読んでいて自分もすぐにできそうだと思いました。

また、たとえば1時間読書をするのと、15分ずつ4回に分けて行う場合とでは、後者の方が記憶に残りやすいと知り、この点で電車の中での読書は理にかなっていると感じました。

スキマ時間を利用することで月に10冊は読めるとの記述、結局のところたくさん本を読める人は時間管理がうまい、という著者の指摘にも納得です。

それと、自分の場合は興味の対象が分散しやすく、色んな分野の本を何も考えずに手に取りがち。それでは読書効果は薄いと知り、今後はできるだけ興味のある分野は集中して読むようにしたいです。

とにかく、やっと読んでも忘れない方法を知ることができ、感無量(苦笑)。この本を読んだことで、この先の読書に自信が持てるようになりました。樺沢さんに感謝☆

おすすめの記事